日本の在留カードは何に使う?知っておくべき10の用途
2026年9月11日

結論・概要
在留カード(ざいりゅうカード)は、日本に出入国在留管理庁から中長期在留者(3か月以上の在留期間)に対して交付される正式な身分証明書です。このカードは、所持者の身元、日本における在留資格、在留期間、就労可否などを証明する重要な書類です。実際、市区町村役所での住所登録、銀行口座の開設、携帯電話・SIMカードの契約、賃貸契約、国民健康保険の加入、アルバイト、運転免許証の取得、在留資格の更新など、日本でのほぼすべての公的手続きや契約において提示が求められます。
また、16歳以上の中長期在留者には在留カードの常時携帯義務があり、警察官や入国審査官等から提示を求められた際には提示しなければなりません。携帯していなかったり、提示を拒否したりした場合は、出入国管理及び難民認定法(入管法)により罰則の対象となる場合があります。
この記事はこのような方におすすめです
本記事は、以下のような方を対象としています。
- 来日したばかりで在留カードを受け取ったものの、何に使うものかよく分からない留学生、技能実習生、特定技能外国人、エンジニア・技術者、家族滞在の方。
- 日本に住み始めてしばらく経つが、カードに記載されている内容、特に裏面(住居地や資格外活動許可欄など)の意味を正確に理解したい方。
- これからSIMカードの契約、銀行口座の開設、賃貸契約などを予定しており、なぜ在留カードが必要なのか、他にどのような準備が必要かを知りたい方。
- ビザ(査証)と在留カード、あるいは在留カードとマイナンバーカードの違いがよく分からない方。
- 一時帰国を予定しており、出入国時に在留カードがどのような役割を果たすか確認したい方。
対象外となるケース
以下に該当する方は在留カードが交付されない、または所持義務がないため、本記事の対象外となります。
- 短期滞在者(Temporary Visitor):観光、親族訪問、90日以内の短期商用などで滞在する方。パスポートと上陸許可証印のみとなり在留カードは交付されないため、銀行口座の開設や長期のSIMカード契約はできません。
- 特別永住者:在日韓国・朝鮮人、台湾出身者など歴史的背景を持つ定住者の方。在留カードではなく特別永住者証明書が交付され、常時携帯義務の規定も在留カードとは異なります。
- 外交・公用の在留資格をお持ちの方、および協定に基づく国際機関の職員の方。
- 在留期間が3か月以下の方:原則として在留カードの交付対象外となります。
- なお、本記事ではビザの新規取得手続きや在留資格変更手続きの手順そのものは解説しておりません。個人の状況により手続きが異なるため、出入国在留管理局または行政書士へ直接ご相談ください。
在留カードの主な10の活用場面と手続きの流れ
来日直後から直面する順序に沿って、在留カードの10の主な用途を解説します。
- 空港での入国時におけるカード受取:主要空港(成田、羽田、中部、関西、新千歳、広島、福岡など)から新規の中長期在留者として入国する場合、入国審査ブースにてその場で在留カードが作成・交付されます。その他の空港・港から入国した場合は、パスポートに「在留カード後日交付」の証印が押され、市区町村役所で住所を届け出た後、簡易書留で郵送されます。
- 入居から14日以内の市区町村役所での住所登録:住居が決まったら、14日以内に在留カードとパスポートを持参して居住地の区役所・市役所へ行き、「転入届」を提出します。手続き後、在留カードの裏面に住居地が印字されます。これは法律上の義務であり、裏面に住所が記載されていない状態では、ほとんどの契約手続きが行えません。
- 各種行政手続きでの身分証明:国民健康保険の加入、国民年金の登録、マイナンバー通知カード・個人番号カードの受け取り、住民票の発行、各種予防接種の申請、図書館カードの作成など、すべての公的窓口で在留カードの提示が求められます。
- 銀行口座の開設:日本の銀行(ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、地方銀行など)では、本人確認および在留資格・在留期限の確認のために在留カードの提示が必須です。カード裏面の住所と申込書に記入した住所が一致しているか厳格にチェックされます。
- SIMカード・eSIM・ポケットWiFi・携帯電話の契約:携帯電話不正利用防止法に基づき、通信事業者および販売代理店は契約者の厳格な本人確認が義務付けられています。外国人にとって最も一般的な確認書類が在留カードです(通常、表裏両面の提出が必要)。音声通話付きプランの場合、在留期限までの期間に応じて契約が制限されることがあります。
- 賃貸契約、電気・水道・ガスの開通、クレジットカードの申込み:不動産会社、家賃保証会社、インフラ企業各社は、在留資格および在留期間を確認するために在留カードの提示を求めます。
- 就労資格の証明:カードの表面には就労制限の有無が明記されています。例えば「就労不可」は働くことができず、「就労制限なし」は職種制限なく働けること(永住者、日本人の配偶者等、定住者など)を示します。就職やアルバイトの採用時、雇用主は不法就労防止のため必ずこの欄を確認する義務があります。
- 資格外活動許可の証明:留学生や家族滞在の方がアルバイトをする場合、「資格外活動許可」の取得が必要です。許可が下りると、在留カードの裏面右下に許可印(原則として週28時間以内、学校の長期休業期間中は別途定められた時間)が押印されます。この記載がない状態で就労した場合は不法就労とみなされます。
- 「みなし再入国許可」による出国・再入国:1年以内(または在留期限内)に日本へ戻る予定で一時出国する場合、出国審査場で在留カードを提示し、再入国出国記録(EDカード)の「みなし再入国許可による出国を希望します」にチェックを入れます。これにより、事前に個別の再入国許可を取得していなくても出国が可能です。チェックを忘れて出国すると、在留資格が消滅する恐れがあるため注意してください。
- 在留期間更新、在留資格変更、永住申請:出入国在留管理局へ提出するすべての申請には、在留カードの原本提示が必要です。その他、運転免許証の取得・外国免許切替(外免切替)、車両登録、婚姻届、出生届などの手続きでも必須書類となります。
ビザ・在留カード・マイナンバーカードの違い
| 書類の種類 | 発行機関 | 主な目的・役割 |
|---|---|---|
| ビザ(査証) | 在外日本国大使館・総領事館 | 日本への入国のための推薦状。入国審査完了をもって役目を終え、パスポートに貼付されます。 |
| 在留カード | 出入国在留管理庁(入管) | 日本での在留資格、期限、就労権を証明するもの。日本滞在中の最も基本的な公式身分証明書。 |
| マイナンバーカード | お住まいの市区町村役所 | 税・社会保障・災害対策分野での個人識別用。オンライン行政手続きや健康保険証利用が可能。在留カードの代わりにはなりません。 |
端的に言えば、「ビザは日本に入るため」「在留カードは日本で暮らすため」「マイナンバーは行政手続きのため」のものです。現在、日本政府は在留カードとマイナンバーカードの一体化(特定在留カード)を推進していますが、制度開始時期や詳細については必ず出入国在留管理庁の最新発表をご確認ください。
必要書類のご案内
手続きの内容に応じて、以下の書類を準備して窓口へお持ちください。
市区町村役所での初回住所登録時
- 在留カード(または「在留カード後日交付」の印があるパスポート)
- パスポート
- 個人の印鑑(サインで可能な自治体も増えていますが、持参をおすすめします)
- 同居家族がいる場合:家族関係を証明する公的書類(提示を求められる場合があります)
銀行口座の開設時
- 在留カード(裏面に現住所が印字されたもの)
- パスポート、印鑑(サイン可の銀行もあり)
- 学生証または社員証・在職証明書(一部金融機関で必要)
- マイナンバーの通知またはカード(海外送金機能などを付帯する場合に求められます)
SIM / eSIM / ポケットWiFiの契約時
- 在留カードの表面・裏面の鮮明な写真(四隅が写り、光の反射やブレがないもの)
- 有効期限内の在留カード(有効期限間近の場合は、先に更新手続きを行うことをおすすめします)
- 音声通話機能付きSIMの場合:決済手段(本人名義のクレジットカードまたは日本の銀行口座)
出入国在留管理局での手続き(在留資格更新・変更など)
- 在留カード原本 + パスポート原本
- 各種申請書、顔写真(縦4cm×横3cm)
- 各在留資格に応じた立証資料:在学証明書、成績証明書、雇用契約書、課税・納税証明書など
- 手数料(許可時に窓口またはコンビニ等で購入する収入印紙)
手数料・費用について
| 手続きの種類 | 目安費用 |
|---|---|
| 入国時の初回在留カード交付 | 無料 |
| 役所での裏面住所記載 | 無料 |
| 資格外活動許可の申請 | 無料 |
| 紛失、盗難、災害による汚損等に伴う再交付 | 無料 |
| 本人の過失による汚損・毀損・交換希望による再交付 | 約1,600円(収入印紙) |
| 在留カード有効期間更新(永住者等) | 無料 |
| 在留期間更新許可・在留資格変更許可 | 2025年中に手数料の改定が行われています(オンライン申請と窓口申請で金額が異なります)。申請前に必ず出入国在留管理庁の公式サイトにて最新料金をご確認ください。 |
上記は一般的な参考費用です。日本の行政手数料は法改正に伴い改定される場合があるため、申請前に公式情報やインフォメーションセンター等で最新情報をご確認ください。
有効期限と手続き期間について
在留カードの有効期限
- 期限付きの在留資格(留学、特定技能、技術・人文知識・国際業務、家族滞在など):カードの有効期限は許可された在留期間と同じです(3か月、6か月、1年、3年、5年など)。
- 永住者:在留資格自体は無期限ですが、在留カード自体には7年間の有効期限があり、満了日までに更新手続きが必要です。
- 16歳未満の方:在留カードの有効期限は16歳の誕生日まで(または在留期限満了日のいずれか早い方)となります。
必ず覚えておくべき重要期限(ルール)
- 14日以内:住居地を定めた日(新規入居および引っ越し)から14日以内に、役所で住所変更の届出を行わなければなりません。
- 14日以内:氏名、生年月日、性別、国籍・地域に変更があった場合、入管へ届け出る必要があります。
- 14日以内:所属機関(学校の卒業・転校、職場の退職・転職)に変更があった場合、所属機関に関する届出を入管に行う必要があります(郵送またはオンライン可)。
- 14日以内:カードの紛失・盗難に気づいた日から14日以内に、警察の遺失届出証明(遺失届受理番号)を添えて再交付申請を行ってください。
- 有効期限満了前:在留期間の更新申請は、通常有効期限の3か月前から受付が開始されます。直前にならず余裕を持って申請しましょう。
- 1年以内:一時帰国時の「みなし再入国許可」の最長有効期間は出国から1年間(または在留期限まで)です。
手続きの標準処理期間
- 空港での交付:審査ブースにて即時交付。
- 後日郵送(小規模空港等からの入国):役所での転入届出後、通常約1〜2週間。
- 紛失による再交付:原則として当日または数日以内(申請先入管による)。
- 在留期間更新・資格変更:通常約2週間〜2か月(引っ越しや進学が集中する3月・4月・9月は長引く傾向があります)。
手続き窓口・提出先
| 手続き内容 | 窓口 |
|---|---|
| 在留カードの初回受取 | 主要国際空港の入国審査場、または後日簡易書留にて自宅受取 |
| 住所登録・裏面への住所印字 | お住まいの市区町村役所・支所(窓口名:住民課、市民課など) |
| 資格外活動許可、期間更新、資格変更、再交付申請 | 管轄の地方出入国在留管理局・支局・出張所(例:品川の東京出入国在留管理局など) |
| 所属機関(勤務先・学校)の変更届 | 出入国在留管理局(窓口提出、郵送、または電子届出システム) |
| 紛失・盗難届 | 最寄りの警察署・交番(遺失届受理番号を取得後、入管で再交付申請) |
| 完全帰国時のカード返納 | 出国審査場の入国審査官に返納 |
日本語での手続きに不安がある場合、出入国在留管理庁では多言語対応の外国人在留支援センター(FRESC)やインフォメーションセンターを開設しています。また、多くの市区町村役所にも通訳窓口や翻訳機が配備されています。窓口で「ベトナム語の通訳はありますか?」とお尋ねください。
よくあるトラブル・注意点
- 在留カードの不携帯:紛失を恐れて自宅に保管している方が多く見受けられますが、法律により16歳以上の方は常時携帯が義務付けられています。不携帯や提示拒否は処罰の対象となります。携帯が不安な場合は保険証と一緒に財布等に保管し、併せてスマートフォンのカメラで撮影しておくと便利です(※写真の提示では警察官等の職務質問時の代用にはなりませんが、紛失時の確認に役立ちます)。
- 引っ越し後14日以内の住所変更忘れ:留学生や新社会人に最も多いトラブルです。届出を怠ると指導対象となり、裏面住所が古いままでは口座開設、SIM契約、重要書類の郵送受取などがすべて拒否されます。
- 資格外活動許可の証印がない状態でのアルバイト:「在留カードを持っていれば働ける」という誤解は非常に危険です。留学や家族滞在の方は、裏面に許可印がなければ一切の就労が認められません。
- 週28時間の制限超過(オーバーワーク):アルバイトを掛け持ちしている場合、すべての勤務時間を合算して週28時間以内でなければなりません。これを1時間でも超えた場合、在留期間の更新不許可や強制送還(退去強制)の重大な原因となります。
- 記載されている日付の確認ミス:在留カードには「在留期間の満了日」と「カード自体の有効期限」の2種類の日付があります(永住者の方などは異なります)。満了日を誤認しないようご注意ください。
- 在留カードの貸し借り・名義貸し:他人に貸したり、他人のカードを使用したり、偽造・変造に関与することは重大な犯罪です。刑事罰の対象となり、即座に国外退去処分および再入国禁止措置が取られます。
- カードへの穴あけ、ステッカー貼付、強い磁気への接触:在留カードにはICチップが内蔵されています。破損や磁気不良が起きると再交付が必要になり、有料となる場合があります。
- 出国時に「みなし再入国」のチェックを忘れる:チェックを入れずに出国すると、在留資格を放棄して完全出国したとみなされ、ビザの再申請が必要になってしまいます。
- 完全帰国時にカードを返納しない:卒業や退職に伴い日本を完全に離れる際は、出国審査ブースでカードに穴あけ処理(無効化)をしてもらい返納する必要があります。
- 在留期限が残り半年しかないのに2年縛りの通話SIMを契約する:在留期限が更新できず途中解約となった場合、違約金や残債が発生することがあります。残りの在留期間が短い場合は、月単位で契約可能な柔軟なプランを選びましょう。
よくあるご質問(FAQ)
在留カードはビザと同じものですか?
いいえ、異なります。ビザ(査証)は日本に入国するための推薦状として海外の日本大使館・領事館が発行するもので、入国時に効力を失います。在留カードは入国後に入管から交付されるもので、日本滞在中の在留資格および滞在期間を証明する公式の身分証明書です。
在留カードを紛失した場合はどうすればよいですか?
まず最寄りの警察署・交番に遺失届を提出し、「遺失届受理番号」を取得してください。その後、紛失に気づいた日から14日以内に、パスポート、証明写真(縦4cm×横3cm)、警察の受理番号を持参して管轄の出入国在留管理局へ行き、再交付申請を行ってください。紛失・盗難による再交付手数料は原則無料です。
在留カードの写真データ(画像)は原本の代わりになりますか?
街頭で警察官や入国審査官から提示を求められた場合、写真画像は原本の代用にはなりません。必ず原本を提示する必要があります。ただし、オンラインでのSIM契約や各種WEB手続き等では、規定に沿った鮮明なカード写真のアップロードによる本人確認が正当な手続きとして認められています。
留学生がアルバイトをするには在留カードに何が必要ですか?
「資格外活動許可」の取得が必要です。入国時の空港審査または入国後に入管窓口で申請できます。許可されると、カードの裏面に原則週28時間以内の就労を認めるスタンプが押されます。
在留期間の満了日が近いのに更新許可がまだ出ない場合、不法滞在になりますか?
在留期限が切れる前に更新申請を正しく受理されていれば、「特例期間」が適用され、満了日から最長2か月間(または審査結果が出るまで)は合法的に日本に滞在し続けることができます。ただし、期限が切れる前に申請自体を行わなかった場合は不法残留(オーバーステイ)となりますので、直ちに入管に相談してください。
日本でSIMカードを購入する際、在留カードは必須ですか?
音声通話付きSIM(090/080/070から始まる電話番号)および多くの長期契約データ通信SIMでは、日本の法律により厳格な本人確認が義務付けられているため、在留カードの提出が必須となります。本人確認不要の短期プリペイドSIM等もありますが、長期滞在者の日常利用には割高で不向きです。
在留カードとマイナンバーカードはどちらが重要ですか?
役割が異なるため、中長期滞在者にとってはどちらも重要です。在留カードは在留資格と身分を証明するもので、法的な常時携帯義務があります。マイナンバーカードは税・社会保険・各種行政サービスのオンライン手続きに用いられます。日常的に持ち歩く書類としては、携帯義務がある在留カードが最優先となります。
在留カードに勤務先や通っている学校名は記載されますか?
勤務先名や学校名は記載されません。カードに記載されるのは、在留資格の種類(留学、技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務など)および就労制限の有無のみです。転職や転校があった場合は、カードの記載を変更するのではなく、入管へ「所属機関に関する届出」を別途提出します。
参考情報・出典
- 出入国在留管理庁(Immigration Services Agency of Japan):在留カード制度、交付・再交付手続き、届出義務、各種手数料に関する公式案内:https://www.isa.go.jp/ および https://www.moj.go.jp/isa/
- 出入国管理及び難民認定法(入管法):在留カードの携帯・提示義務および罰則規定(e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/)
- 総務省:携帯電話不正利用防止法に基づく本人確認義務規定:https://www.soumu.go.jp/
- 各地方自治体(市区町村役所)公式サイト:転入・転出届出の手続き、国民健康保険、マイナンバーに関する規定案内
免責事項:本記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。在留資格制度、手数料、必要書類等は法改正等により変更される場合があり、個々の滞在状況により対応が異なる場合があります。申請手続きを行う際は、必ず出入国在留管理庁、お住まいの市区町村役所、または専門の行政書士へ事前にご確認ください。HD TELECOMは法的な個別アドバイスを行うものではありません。
情報確認日
上記出典の情報は2025年6月に確認されたものです。(編集担当者様へ:記事公開前に最新の確認日を更新し、isa.go.jpにて在留資格更新・変更手数料の最新規定を再確認してください。)
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